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毎週金曜日 午前9時15分~生放送
2023年6月9日

特別編「膝や股関節の痛みについて」

放送日 2023年6月9日

新鮮情報 特別編「膝や股関節の痛みについて」

 

「膝や股関節が痛むなぁ」というお悩みを
耳にする機会は多いのではないでしょうか?
もちろん、ご自身が悩んでいるという方も含め
知っておくと役に立つ情報をお届けします。

今回お話を伺ったのは、
香川県厚生農業組合連合会
屋島総合病院副院長で

整形外科部長 人工関節センター長の
浅海浩二先生です。

浅海先生は岡山大学大学院ご卒業後、
国内外で人工関節置換術を学ばれ、
それ以来およそ30年携わってこられました。
現在は1年間に膝と股関節合わせておよそ440例
(令和4年度実績439例)の症例を行っているという
まさに専門医でいらっしゃいます。

まず「どうして年齢を重ねると
膝や股関節が痛くなるのか」

膝は、加齢や生活習慣が原因で
膝軟骨がすり減ってくることにより

年齢を重ねてくると痛みが出ることがあります。
股関節は、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)
と言われる股関節の形が
少し悪いのが主な原因です。

医学的には二次性変形性股関節症と言われます。
年齢を重ねてくると股関節の軟骨が擦り減り、
痛みを生じてきます。
膝や股関節の痛みは
加齢が原因の1つにはなりますが、

年のせいと諦めるのではなく、
状態に応じた様々な治療法があります。

では痛みが出たら「すぐに病院に行くべきなのか」
変形の度合いがまだ軽度な場合は、
自分でできる方法もあります。
冷えると関節が痛いので、痛い部分を温めたり、
杖やサポーターなどを使用することもできます。
プールでの歩行や自転車漕ぎ、
体操などの運動療法を行うこともできます。

それでも痛みが治まらないなぁというときは
病院にいよいよ相談することになります。
気になるのは「どんな治療を受けるのか」
すぐに手術ということはなく、
痛み止めの内服や湿布、関節内に
ヒアルロン酸を注射する方法や、

筋肉を鍛える運動などをしっかり行うことも大切です。
それでも痛みがある、今の状態を
もっとよくしたいという場合は、

人工関節という手術があります。

「手術」という言葉はちょっと
構えてしまうかもしれません。

「どんな場合に手術を考えたほうがよいのか」
医師が無理矢理勧めることはありません。
本人の意思が一番重要です。
関節が変形して痛みがあり、
今の状態よりよくなりたいという方は

考えてみるとよいのではないでしょうか?
手術を受けた方の多くが満足され、
その方の紹介で手術を希望する方が実は多いんです。

「人工関節手術はどのように行うのか」
痛んだ関節の表面を人工の金属や
軟骨の代わりになるポリエチレンに置き換えます。
手術件数は年々大幅に伸びており、
今後30年でさらに4倍になるともいわれています。
手術方法も進化しており、MISという最小侵襲手術で
傷口を小さく筋肉や腱を切らない方法で行うことで、
術後の痛みもなく、早くから
リハビリを開始できるようになりました。

また車のナビのような機械を使って
それぞれに最適な人工関節を使うので、
術後に人工関節が外れるという
脱臼のリスクも大幅に軽減されます。
(写真:両膝関節 上段 術前 下段 術後)

では「どれくらいで歩けるようになるのか」
手術後のリハビリがとても重要です。
何年も痛みを我慢してきた方は
筋力が落ちていることもあるんです。

2~3週間入院して、杖をついて歩く
練習や階段の上り下りの練習をします。

それでも自信がない方は、回復期
リハビリテーション病棟に移ることもできます。

通院でリハビリを続ける方もいます。

自己流でやってみたけれど、
なかなか痛みが改善しない方は

一度病院で相談してみるのもよいかもしれません。
状態に応じた様々な治療法があります。

 

ご出演:香川県厚生農業協同組合連合会 屋島総合病院 副院長
整形外科部長 人工関節センター長
浅海浩二先生

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