第36回香川菊池寛賞
北澤佑紀「鳥坂峠」
両親を早くに亡くした少年リュウイチのもとに、祖父の後妻としてコマツと連れ子のタケカズがやってくる。タケカズもまたコマツが引き取った孤児であるが、父母のいない淋しさから、リュウイチは幼いタケカズに対して冷たくあたってしまう。金儲け主義の祖父、タケカズを溺愛するコマツ、家族の中で孤独感を深めていくリュウイチを、ただひとり使用人の良蔵だけが温かく見守っている。
互いに身寄りのない者どうし、やがてリュウイチは少しずつタケカズと心の距離を近付けていく。そんなある朝、リュウイチはタケカズが遠方の町へもらわれていったことを知る。鳥坂峠のてっぺんに立ち、タケカズの行く末を案じながら、リュウイチはつづら折りの坂を自転車で駆け降りていく。
著者プロフィール
北澤佑紀(きたざわ ゆうき)
昭和33年生れ(香川県多度津町出身) 徳島県在住
高松第一高校 四国学院短期大学英語科卒
平成13年 第36回香川菊池寛賞受賞
平成21年 NHK銀の雫文芸賞優秀賞受賞
放送内容
朗読:鴨居 真理子(西日本放送アナウンサー)
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最終回
2017年8月28日放送
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第7回
2017年8月21日放送
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第6回
2017年8月14日放送
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第5回
2017年8月7日放送
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第4回
2017年7月31日放送
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第3回
2017年7月24日放送
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第2回
2017年7月17日放送
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第1回
2017年7月10日放送