第50回香川菊池寛賞
堀川佳「床頭台」
結子は学生時代に夫の春樹と知り合い、東京から香川へ嫁いできた。そして『くすのき木工所』を夫婦で営んでいる。
夫婦には大学四年の息子がいる。春樹は息子が後継者となってくれることを願っているが、結子は零細企業の厳しさを思うと、夫の意見に賛成しかねている。
工場では、得意先の森山商事に勧められて、この春から床頭台という病院向けの家具を作ることになった。
森山商事の厳しい検品に苦労しながら製造は進む。ところが、市立病院への納品間近になって、ダンボールケースの発注ミスと、機械の故障というトラブルが発生する。旧知の木工機械店の熊野社長に助けてもらい、工場の従業員が団結して徹夜で仕事をする。翌朝、床頭台は完成し、納めることが出来た。
熊野社長との会話や、床頭台を作り上げた達成感の中から、後継者問題について、結子の気持ちは変化していく。
著者プロフィール
堀川佳
丸亀市在住 会社員
成城大学文芸学部 国文科卒業
第50回香川菊池寛賞受賞
四国新聞読者文芸随筆部門年間最優秀賞
第40回ずいひつ遍路宿賞
放送内容
朗読:熊谷 富由美(西日本放送アナウンサー)
-
最終回
2015年5月18日放送
-
第7回
2015年5月11日放送
-
第6回
2015年5月4日放送
-
第5回
2015年4月27日放送
-
第4回
2015年4月20日放送
-
第3回
2015年4月13日放送
-
第2回
2015年4月6日放送
-
第1回
2015年3月30日放送