第54回香川菊池寛賞奨励賞
藤本靖「青春の残照」
戦後復員した須波勝也は、大輪商会に入社した。しかし、派閥争いに敗れ大阪に左遷。その列車の中で仕事や家族のことを考える。
五年前に勝也のせいで息子を交通事故で失い、妻の悦子は勝也を責める。勝也は謝るが、悦子は大阪転勤を機に義父宅へ別居する。
列車は京都に近付き、大学時代を思い出す。友人の野津が橋から転落死したこと、友人葛城が大学中退後、共産党の活動により東京で獄死したことなど苦い思い出ばかりだ。
ただ、尺八の師匠の娘である静江が弾く琴と合わせて練習した楽しい思い出は忘れられない。勝也は静江を愛していたが、結婚を言い出さないまま東京で就職、悦子と結婚した。戰爭へ召集されるも運良く帰還した。
京都駅で下車した勝也は偶然静江と再会する。勝也は静江から野津について驚愕の告白を聞く。静江は結婚したが夫は戦死。勝也は運命に翻弄された静江と自分の人生を振り返り、前を向いて力強く生きていく決意をする。
著者プロフィール
藤本靖(ふじもと やすし)
放送内容
朗読:岸 たけし(RNCアナウンサー)
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最終回
2020年1月19日放送
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第11回
2020年1月12日放送
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第10回
2020年1月5日放送
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第9回
2019年12月29日放送
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第8回
2019年12月22日放送
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第7回
2019年12月15日放送
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第6回
2019年12月8日放送
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第5回
2019年12月4日放送
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第4回
2019年11月24日放送
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第3回
2019年11月17日放送
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第2回
2019年11月10日放送
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第1回
2019年11月3日放送