ラジオで聞く 香川菊池寛賞 香川菊池寛賞受賞作品を朗読で紹介します。

香川菊池寛賞とは

香川出身の文豪・菊池寛の業績を顕彰するとともに郷土の文芸創作活動を奨励するために設立されました。

第31回香川菊池寛賞

雨宮湘介「残の月」

 天野裕二は東京の私立大学で民俗学の講師をしている。母親の幸代は、息子が三十五歳にもなって独身なのを気に病んでいたが、裕二は、自殺した兄の妻、怜子を愛している。
 裕二は、母に勧められて見合いをするため郷里の長野県に帰省する。彼は見合い相手の女性、篠田桂子に好感をもち、二人は愛し合う。しかし、裕二は怜子との不倫の恋をふっきれず、桂子もまた、山で遭難死した婚約者の男性のことを忘れられずにいる。
裕二と桂子は、互いの胸に秘めた恋の〝残像〟を知り、結婚に踏み切れずに別れる。
 その年の十一月、裕二は、母の幸代の病気見舞いと父の三回忌の法要のため帰省し、怜子と会う。そして、二人は、長野県の下伊那に伝わる「霜月祭り」を一緒に見に出かけ、再び恋の炎を燃やす。

著者プロフィール

雨宮湘介(あまみや しょうすけ)

本名、市原信夫。1947年、香川県木田郡三木町生まれ。東京教育大学英文科卒。元読売新聞記者。定年退職後、郷里で農業に従事。菊池寛顕彰会副会長。文芸同人誌「四国作家」代表。著書に、小説集「夏の月」、紀行「四国遍路考」、評論「本覚思想から見た日本精神史」、「天皇制の成立と解体」。

雨宮湘介

放送内容

朗読:池田 弥生(RNCアナウンサー)

  • 最終回

    2019年6月2日放送

  • 第9回

    2019年5月26日放送

  • 第8回

    2019年5月19日放送

  • 第7回

    2019年5月12日放送

  • 第6回

    2019年5月5日放送

  • 第5回

    2019年4月28日放送

  • 第4回

    2019年4月21日放送

  • 第3回

    2019年4月14日放送

  • 第2回

    2019年4月7日放送

  • 第1回

    2019年3月25日放送