第22回香川菊池寛賞
帰来冨士子「寒の紅」
八十五歳の長山蕗が、ある日突然、あでやかな化粧をするようになった。嫁の千枝は動揺する。千枝の夫の圭吾はフランス留学中である。「キレイニナリタイ…」としきりに蕗はつぶやく。
人間は痴呆老人とまでいかなくとも、年をとって理性的なものがうすれてくるにつれて、それまでかくされていた願望がもろに現われてくるらしい、と聞いた千枝は、蕗の今の行動のゆえんがどこにあるかを知ろうとする。そして、その方法として、あえて姑の日記を開いてみる。そこには蕗の生きてきた六十年の歳月が生々しく息づいていた。
著者プロフィール
帰来冨士子(きらい ふじこ)
高松市出身。
香川県立高松高等女学校を卒業、日本銀行高松支店に勤務。
昭和49年、同人誌を経てフリーライターとなる。
昭和51年、「蛍火」などで、ずいひつ遍路宿賞受賞。
放送内容
朗読:鴨居 真理子
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最終回
2014年5月5日放送
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第16回
2014年4月28日放送
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第15回
2014年4月21日放送
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第14回
2014年4月14日放送
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第13回
2014年4月7日放送
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第12回
2014年3月31日放送
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第11回
2014年3月24日放送
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第10回
2014年3月17日放送
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第9回
2014年3月10日放送
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第8回
2014年3月3日放送
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第7回
2014年2月24日放送
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第6回
2014年2月17日放送
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第5回
2014年2月10日放送
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第4回
2014年2月3日放送
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第3回
2014年1月27日放送
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第2回
2014年1月20日放送
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第1回
2014年1月13日放送