「味」というお題で実際の食物の味と、比喩的な人生の味の二通りの方向がありました。人生や社会を味覚に例えることができるし、食や料理の場面にあらわれる人間関係の機微に焦点をあてた句も興味深いですね。

今回選ばれた＜春爺＞さんの川柳は…
何事も完璧に終わるということはなくて、どこかに不満や残念さが残ることが巧みに表現されています。「味見までは」と勢い込んだ六音の口調ではじめておいて、「～はずなのに」と逆転させるリズムも効果的です。その後、何が起こったんだろうと想像させますね。