これまでのつれづれ川柳賞
お題「秋」
2024/9/28選出
つれづれ川柳賞
ラジオネーム <だんでらいおん>
「もうヤダと 首振る秋の 扇風機」
小池正博さんの講評

「川柳スパイラル」編集発行人小池正博さん
味覚の秋ですからサンマ・松茸・栗などの句が多かったですが、発想が同じ場合はそこにプラス・アルファが必要になります。夏の素麺が秋になっても残っているという句がありましたが、季節のズレをとらえていて、印象に残ります。温暖化で秋が短くなったことを詠みたい場合は、その事実だけ言うのではなくて、何か川柳らしいものの見方を付け加えるとおもしろい句になります。
今回選ばれた<だんでらいおん>さんの川柳は…
扇風機は夏に使いますが、「秋の扇風機」とすると季節のズレが表現されます。「もうヤダ」という話し言葉が効果的で、首を振っているのは扇風機だったことが最後に分かります。擬人的な書き方はしつこいと嫌味になりますが、ヤダという口語調に実感がこもっているので成功した句になっています。