これまでのつれづれ川柳賞
お題「山」
2022/9/24選出
つれづれ川柳賞
ラジオネーム <八木五十八>
「向き合えば 正面にくる 山の顔」
小池正博さんの講評

「川柳スパイラル」編集発行人小池正博さん
山というお題で山そのものを詠むのが正攻法ですが、固有名詞を使って富士山などの山の名を入れたり、山で食べるおにぎりや山に登る人の姿に焦点をあてることもできます。比喩的に山を困難や課題という意味にとらえた句もありました。山とペアになる言葉、たとえば山と川、山と谷、山と海などの言葉を使うのもひとつの方法ですが、一句にまとめるのがむずかしいかもしれません。
今回選ばれた<八木五十八>さんの川柳は…
山は見る方向によって姿が変わります。山が美しく見える角度はいろいろあるはずですが、正面から見るときに山の顔がはっきりと立ち上ってくる。「向き合えば」というところに意味が込められていて、深みを感じさせる句です。