これまでのつれづれ川柳賞
お題「手紙」
2021/7/31選出
つれづれ川柳賞
ラジオネーム <翔のんまな>
「父に出す 手紙を母に 書いていた」
小池正博さんの講評

「川柳スパイラル」編集発行人小池正博さん
今回は手紙をめぐるドラマや物語を感じさせる句に心を惹かれました。
ラブレターの句が多かったですが、書けなかった手紙、書いたけれど出さなかった手紙、 保存しておいた昔の手紙を家族に見つけられたときのちょっとしたドラマなど、いろいろな場面を書いていただきました。 メールやライン、ツイッターのメッセージなどが多くなったなかで、それぞれの年代の方の手紙イメージが表現されていました。
今回選ばれた<翔のんまな>さんの川柳は…
一読して親子の関係が目に浮かびます。父親への連絡を母親経由で行う息子の屈折した感情がうまく表現されています。
父が嫌いならはじめから手紙など出さないのですが、直接にはものが言いにくい抵抗感があるのですね。
五七五の川柳なのに、短編小説を読んでいるような感じがしました。