これまでのつれづれ川柳賞
お題「蝉」
2020/8/29選出
つれづれ川柳賞
ラジオネーム <カワサン>
「妹が そっと放した 兄の蝉」
小池正博さんの講評

「川柳スパイラル」編集発行人小池正博さん
蝉の幼虫は七年間地中にいて、地上では一週間の命と言われています。
「生と死」を感じさせる生き物です。
仰向けに死んでいる蝉の姿や蝉の抜け殻など、みなさんよく観察しておられると思いました。
やかましく鳴いている蝉にコロナの現実を取り合わせる句もありました。
「蝉」という言葉を使わない句にもおもしろい作品がありました。
今回選ばれた<カワサン>さんの川柳は…
兄さんがつかまえた蝉を妹が放してやりました。
勝手に逃がしたと喧嘩になるのではなくて、兄は妹の優しさに改めて気づいたことと思います。
物語の一場面のような作品です。