マリコラム 西日本放送アナウンサー「鴨居 真理子」のブログ

2021/09/17

レイズ・ザ・フラッグさんの画期的開発!

鴨居 真理子

ルックのロケでお邪魔した高松市紺屋町にある会社、

「Raise the Flag(レイズ・ザ・フラッグ)」さん。

視覚に障害がある人達に向けた製品を開発しています。

社長の中村さんとチーフエンジニアの篠原さんが開発しています。

ある日、中村さんが商店街で、視覚障害を持つ方が困っている姿を見た日の夜のこと。

偶然、テレビで、視覚障害の方が駅のホームから転落して亡くなるという

痛ましい事故のニュースを見て、

「どうして、いろんな技術が発達しているのに、

視覚障害を持つ方が便利に過ごせないのか?」と衝撃を受け、

「何とかしたい!」と思ったのが始まりだったそうです。

そこから、開発者の勉強会に顔を出し、視覚障害を持つ人からも話を聞き、

様々な商品を開発していきます。

今回、見せていただいたのは、「みずいろクリップ」という商品。

 

この機能がすごい!! 

コップや器の注ぎたいところにクリップの先を合わせると

「注いでください。」と音声案内があり、

水やお湯などを注ぐと先端のセンサーが液体を感知して、

「ピピピ!」と音で知らせてくれる。

さらに、タイマーが動き出し、「1分経ちました。(6分まで1分毎)」と

音声で知らせてくれるのです。

これは、カップラーメンの器に挟むと便利!

このクリップを使用する視覚障害者の方にお話を聞くと、

これまでお湯を注ぐ時には、指でお湯が入ったかどうか確認していたので、

やけどすることもあったというのです。

また、ジュースなど、注ぎ過ぎて、こぼしてしまうこともあり、

その片付けが大変だったという話も伺いました。

いずれも、このクリップが解消してくれると喜ばれていらっしゃいました。

さらに、このクリップの機能は、それだけではないのです。

逆側の黒い部分を何かに当てて、スイッチを入れると色を音声で教えてくれます。

洋服に当てると「白です。」とか、「赤です。」とか、16種類まで色を識別できます。

視覚に障害がある方の洋服選びにも役立っています。

みず」を注ぐのと、「いろ」を教えてくれるから、

名前は「みずいろクリップ」なのだそう。

さらに、見せていただいた「RtFグラス」。

これが、また、画期的!

中村さんによると、視覚障害を持つ方の90%が眼球を自由に動かせることから、

このグラスをつけると、眼の動きによって、

目線の先にある障害物の大きさや形、距離などを

振動などで知らせてくれるのだそうです。

さらにカメラ機能もついています。

離れた場所にいる介助者も映像を見ることができ、

歩行のサポートができます。

他にも、ポスターや看板、手紙などの文字をAIが読み上げ、

色素が認識できる人は、メガネの中で視線の先の色が再現され、

対象物の色がわかるという画期的なグラス(メガネ)です。

現在、開発中ですが、近い将来、製品化されます。

視覚障害を持つ方の生活がより便利に変わってきそうです。

ユーモア抜群の中村さんと穏やかな篠原さんとロケに協力して下さった

しっかり者の明るい樋口さんのお人柄にも、すっかり惹き込まれた

楽しく、ワクワクするロケでした。

ありがとうございました!

「ルック」の放送は、9月26日(日)午前10:45~11:00

まぁ、とにかくご覧になって下さい‼