いままでのコラム

タンゴの話 88 <続・タンゴの男性歌手>

 タンゴ男性歌手3羽烏の中で、ボクが昔から一番気に入ってるのが「コルシーニ」だ。当時の歌手のご多分に漏れずフォルクローレ畑出身で、その飄々とした風貌、ジャケットのプロフイル、一寸演歌風に「コブシ」の利いた所謂コルシーニ節、そのどれもがボクには心地良かった。だが長い間、彼が歌うレコードは入手困難で、欲求不満を囲っていた。それもようやく30年程前から手に入り始め、嬉しい発見も相次ぎ、タンゴアルバムの話題を賑わしている。コルシーニの綽名は「El Caballero Cantor」。(騎士歌手=この際、騎士は紳士)。先日、番組でコルシーニのラッパ録音時代の素適な演奏を紹介した。1922年彼がアポロ劇場で初演して大喝采を博した「パトテロ・センテイメンタル」の同年録音盤だ。アルゼンチンの電気録音は1926年に始まったので、これは相当ヒドイ録音の筈だが見事に修正され、その出来栄えに一驚。曲名のアタマに「El」が付いていたのは、時代のご愛嬌だろう。

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