いままでのコラム

タンゴの話 87 <タンゴの男性歌手>

 アルゼンチンタンゴで男性歌手といえば、ダントツでCarlos Gardel(カルロス・ガルデル)の名前が挙がるのは当然だろう。何しろ当時クラシック界で最高の人気を誇ったあるテナー歌手がガルデルの歌を聴いて早速楽屋を訪れ、ガルデルに「もし貴殿がクラシックを歌っていたら、間違いなくボクなどは活躍する場が無かったことでしょう。貴殿がクラシック界に居なくて、本当によかった。」と彼自身のソフト帽を捧げその素晴らしさを讃えた、というかなり怪しげな伝説まで囁かれている。この話の真偽はともかく、いわゆるタンゴの第Ⅰ期黄金時代(1930年を挿むほぼ四半世紀)に活躍したガルデルを含む男性歌手3羽烏は、Agustin Magaldi(アグステイン・マガルデイ)とIgnacio Corsini(イグナシオ・コルシーニ)だ。それぞれ個性豊かな歌い手で、当時、結構多かった男性歌手陣の中でひときわ抜きん出た存在だったことは間違いない。

ページの先頭へ戻る