このほど当館では、インターネット上での企画展として、奥田瑛二個展「瑛画展」を開催するに至った。
俳優・奥田瑛二氏は、画才においても出色の人である。去る95年2月、氏は、当館の提案を受けてスペインに渡り、数週間の滞在の後、幾つかの作品をものにした。この企画展は、画家・奥田瑛二が、初めて訪れたスペインの風土を感じつつ筆をとり、その感性の発露を版画に映し出した貴重なコレクションを展示公開するものである。
どうか、ごゆっくりご堪能いただきたい。
 俳優、奥田瑛二は、画家としても知る人ぞ知る存在である。絵を描くことによって、俳優とは違う伝え方をしたいと、創造の世界で真摯に様々な挑戦を試みている。
今回の個展では、'94年秋、西日本放送が制作した番組「グラナダの赤い絵具」撮影の際、マドリッドの版画工房で制作したエッチングを紹介する。
もともと墨と筆を好んで使う奥田のタッチ。流れるような曲線は優雅でかつ力強い。 裸婦をモチーフとした作品は、女性の美しさを神聖視する訳でなく、また侮蔑を込めて醜さを暴き出す訳でなく、純粋に探求心の果てにつかんだ、ありのままの女性の姿と言えよう。見栄や気負いのない女性の姿は、衝撃的であるが、見る者に次第に安らかな気持ちを呼び起こしてくれる。
猫をモチーフとした作品は、現地スペインの猫のクロッキーを何枚も描いた後、銅板の上にユーモアあふれる構図としてまとめたものである。
       丸亀平井美術館
       館長 平井卓也