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館長挨拶

 コロンブスをはじめ歴史に名を残した航海士たちが、大きな夢と憧れを抱いて黄金の国ジパングを目指した大航海時代から500年。中世以降、世界に向かって輝きを放ち続けるスペイン芸術の新しい息吹が、世界一の長大橋・瀬戸大橋のたもと、歴史と自然が溶け合う文化都市・丸亀に「丸亀平井美術館」として錨を下ろしました。この美術館は、現代スペインを代表する中堅・若手作家の90年代以降の最新作を常設展示し、「香川から世界に発信できる何かを創造したい」と念じ続けた私たちの悲願の結晶でもあります。
 現代美術の世界は、あたかも生きものの如く胎動し変化し続けています。最近は具象と抽象の境界が希薄になり、素材や表現方法は多様化の一途をたどっています。こうした混沌の中にあって、スペインの現代美術界は常に時代をリードするものとして斬新な刺激を私たちに与えてくれます。過去、彼の国が突出した天才を美術界に送り続けてきたように、現代の作品群もまた新たなるものへ立ち向かう熱意に満ち、新世紀への強い主張を感じさせるものばかりです。その若き創作家たちのエネルギーを凝縮した「丸亀平井美術館」は、単なる美術品収集とは次元を異にした彼らの情熱に対する賛辞そのものであり、その意味で世界初の試みであると自負致しております。

 本美術館のもう一つの大きな特徴は、施設全体までもがスペイン人のスタッフの手による”作品”だということです。建築設計は建築都市バルセロナの異才・アルフレード・アリーバス氏、作品選定はセビーリャ万博でスペイン館を手がけたハビエール・アイグアベーリャ氏、そして展示デザインは光と空間を巧みに生かす著名建築家のフランシスコ・パルテアローヨ氏が担当。スペイン内外で高い評価を得ているスペシャリストたちの賛同と協力、妥協を許さないプロ意識があったからこそ、日本の一地方都市では稀有な個性あふれる美術館誕生に漕ぎ着けることができたと言えましょう。
 「丸亀平井美術館」が目指すテーマは、『新しい価値の創造』です。そのためにも、スペイン現代美術と言う新たなソフトを核として香川から全世界に向けての情報発信を実現するとともに、既成の枠にとらわれないアクティブな美術館であり続けたいと願っています。そして、スペインと日本を結ぶ文化・芸術の架け橋として、さらには国際交流の波打ち際として、西日両国の友好促進の一助になるとともに、地域を越え、国境を越えたより多くの人々と現代アートが触発し合う未来創造の場となればこれ以上の幸せはありません。本美術館創設にあたりご協力いただいたスペイン文化省、駐日大使館、芸術関係の皆様をはじめ、スペイン、日本両国の親愛なる多くの友人に心から感謝申し上げます。

平井卓也

丸亀平井美術館館長





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