スサーナ・ソラーノ
パラドックスはここにある、
1990−1991
2.24×1.08×1.08m





入り口の二つの扉の間、フロアの中央で私たちがまず出会うのは、彫刻家スサーナ・ソラーノ(1946年、バルセロナ生まれ)の仕事を代表する作品です。彼女は特に金属を好み、金網やL形鋼、銅板といった工業素材を加工して用います。その作品は、何らかの物体、具体的なものというにはほど遠いものです。彫刻家は、人をはねつけるような堅固さと冷淡さを持つ厳格な形体を作り出し、観者に瞑想の一瞬を与えようとしているのです。私たちが、自らの存在の内の、もっとも真実で偽りないものに出会うためには、浮ついて軽薄なもの、快適さを捨て去らねばなりません。この作品は、その訓練へと観者を導くのです。
角張ったこの大きな箱は、「きれいなもの、あるいは美しいものではありません。その外観と、内側に囲われた椅子は、もっとも高められ完成した心と精神に、たどり着くための深い沈静、孤独といったものを連想させます。それはあたかも、瞑想と苦行に身を捧げた隠遁者の庵のようにすら思われるのです。《パラドックスはここにある》という作品のタイトルは、おそらく私たちを取り巻く世界をより深く理解するためには、そこからむしろ隔絶されねばならない、という逆説を暗示しています。


前ページへ 一階案内へ 次ページへ
ロゴ




パラドックスはここにある